オーロラの研究

[Japanese / English]

オーロラは極域で観測される発光現象です。「オーロラを見たい!」 そういう思っている方はたくさんいらっしゃいます。

オーロラが発生するまで

「太陽風」とよばれる太陽起源のプラズマの流れが地球の磁場と相互作用し、地球磁気圏内の夜側にある「プラズマシート」とよばれる領域にたまります。 プラズマシート内のプラズマ粒子が地球大気に向かって高速で降り込んで大気粒子と衝突、大気粒子はエネルギーをもらって励起した状態になります。 励起状態にあった大気粒子が元の状態に戻るときエネルギーを光として放出します。この光が「オーロラ」として見えます。

オーロラは何色?

2009年2月にアラスカに(観測ではなく遊びに)行き、オーロラを見ることができました。初日(現地時間2月26日)に見たものは強めのオーロラで、白色に見えました。 一緒に見た方の中には、「オーロラの端がピンク色に見えた」とおっしゃっている方もいました。



一方、すぐ上にある写真はその2日後(現地時間2月28日)に見えたオーロラを撮影したものです。ぼんやりと緑色に見えますが、 肉眼では雲かどうかの判別も難しいほどかすかな白色にしか見えませんでした。肉眼では色まで判別できないほど弱い光でした。(写真は20秒露光で撮影しています)

電子の降り込みによるオーロラの色は発光高度(と衝突相手)によって変化すると考えられています。たとえば、

赤色(波長630.0nm)
高度150km以上で、酸素原子が励起されて光る
緑色(波長557.7nm)
高度100~200kmで、酸素原子が励起されて光る
青色(波長427.8nm)
高度90~120kmで、窒素分子のイオンが励起されて光る

というように。写真も大事ですが、実際に自分の目で見ることも大事です。初日は見とれていたので、写真がないのです…。

どんな研究を?

オーロラは見ているぶんにはとてもきれいなのですが、高速の電子が(ときには陽子も)降り込んでくる現象なので、上空ではさまざまな変化が起こっています。 学部の間は、高緯度に設置された地上GPS受信機網のデータとオーロラとの関係を研究していました。オーロラについては「れいめい衛星」の観測を使わせていただきました。

カーナビゲーションシステムなどに利用されているGPSは、上空約20000kmを飛ぶGPS衛星からの電波を利用しています。 その電波が電離層という上空100km~500kmあたりの影響を受けてGPSが機能しなくなることがあります。電波を変化させる要因の一つとしてオーロラがあると考えています。 個人的な野望(?)としては高緯度地上GPS受信機網を用いてオーロラの形を推測することもしたいのですが、まだ道のりは遠そうです。




「研究のページ」にもどる
Topにもどる